〈Think〉自ら最善策を見出す「事例検討」

名張育成会では、様々な研修や勉強の場が設けられています。臨床心理士久保義和先生による「事例検討」もその一つ。今回は、その様子をご紹介します。

 

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事例検討とは、利用者さんが抱える課題について、担当している職員が自ら「最善」の解決策が探り出せるよう、久保先生のアドバイスによって思考を深める研究の場で、今後の支援に活かされます。

 

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毎月2事例を、各施設持ち回りで担当します。また当該施設以外からの出席は任意で、施設代表者が出席して自施設に持ち帰り、各職員へのケーススタディとして事例を学ぶ機会に活用したりします。

 

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またケースによっては相談支援員も出席し、一緒に久保先生の話に耳を傾け、当該施設担当者へフォローを行ったりもします。

 

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今回は、ある施設を利用されている高機能自閉症者の方に関する事例として、今後どのような環境下で過ごされるのが良いかを検討しました。

 

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事前に各施設担当者へ資料を回付していますが、改めて担当職員から当事者のプロフィールが紹介され、現況などが説明されます。

 

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先生からは細かく質問が続きます。利用者さん本人の特性や環境、現在の支援内容と事象を整理し、真の課題を明らかにします。その上で、現在行っている支援を振り返り、「最善」の支援とは何か、またそれを実施する上で注意することは?など、思考を深めていきます。

 

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久保先生から、決して「答え」は出てきません。利用者さんの特徴と支援の様子をひとつひとつ確認し、問答を繰り返しながら職員自らが考えをまとめ、最善策が導き出せるように話を進めていきます。

 

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「さあ、どうすればいい?」

 

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そして、「自信を持って取り組めばいいよ!」と久保先生の笑顔が返ってくれば「事例検討」は終わります。

利用者さんへの理解を更に深める事は、互いの信頼感につながります。また自ら最善策を見出すことは、何より自信になります。How toに頼っていては、福祉は育たないのです。

〈久保義和先生〉臨床心理士三重県立小児医療センターあすなろ学園にて自閉症の臨床に長年携わる。同学園医療技術室長、三重県知的障害者更生相談所などを経て、現在名張育成会特別事業顧問 他。

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