先日、居住部(※)やグループホームの生活支援員、看護課の職員を中心とした看取り研修を行いました。(※ 障害者居住支援施設成美、〃成峯、高齢者グループホームひかり、特別養護老人ホームグランツア)
講師は、ユマニテク医療福祉大学校(四日市市)介護福祉学科長の伊藤幾代先生。今までに、介護力の向上を目指した、介護研修などでもお世話になっています。
名張育成会の利用者さんも高齢化が進み、看取りは避けられない問題となっています。そうした場合に備え、職員としてどうあるべきかを学び、方針やガイドライン策定に向けた議論の礎にしていくのが目的です。
さて、「あなたの人生はあと1か月です」と言われたら?まず、看取りを考える前に、自身の終末期について考えます。
私ならまず仕事を辞めて・・・所長や人事課が見ればショックを受けるでしょうが、実は7割以上の方誰もが、まず退職することを考えるそうです。
普段あまり考えない課題に直面し、想像が広がった人、悩んでいる人など様々でしたが、テーブルディスカッションでそれぞれの意見を披露しました。
伊藤先生によると、人生があと一か月と言われたら、大半の方が、まず仕事を辞めて「自分のため・・・」「家族のため・・・」の終活を果たそうと思うそうです。
しかし、責任を持って社会での役割を担っている以上、人生の締めくくりとして「仕事の終活」も重要なのではないですか?と、職員たちに投げかけます。
日々利用者さんから頼りにされている職員にとっては、非常に奥深いですね。
また9割ほどの方が自宅で最期を迎えたいと願っていますが、今では願い通りになる方が1割強で、病院で最期を迎える方は8割弱にも上っています。ただ最近では、設置数の上昇などによって、施設などで最期を迎える方が増えてきており、ここに看取りに重要なキーワードが潜んでいると言います。
施設で暮らす方は、「家族に迷惑をかけたくない」という思いを持たれています。そのような方にとって、施設は「家」であり、職員は「頼れる人」なのです。
最期まで自己実現を目指す、その人らしく最期まで暮らし尊厳のある生活が送れる、ご家族が悔いのない看取り介護ができる、それらを保障してこそ、安心して最期まで暮らせることができる。それが看取りケアの目的なのです。
人は誰でも最期を迎えます。また人の死に出合うことは避けられません。その人らしい人生の大切な締めくくりを看取る。非常に大きな課題ですが、これからも真摯に取り組んでまいります。