精神障害の当事者として自身の経験を活かし、精神障害者への支援を行う「ピアサポーター」。ピア(peer)とは同僚や仲間などといった意味で、厚生労働省の指針を受けて全国に広がり、その成果が注目されています。
さて、そのピアサポーター達による『ピアネットカフェin鈴鹿』が先日開催され、名張育成会・地域活動支援センターひびきに集うピアサポーター3名が、スタッフとして参加しました。
今回は、「笑い」による共に生きる社会づくりプロジェクト第3弾として、名古屋よしもとの当事者芸人「トラッシュスター」さんとのコラボ企画。伊藤政臣さん(左)は「吃音症」、中山真希さん(右)は「躁うつ病」と、二人とも精神障害を抱えながらも、お笑いの世界で活躍しています。
さて第一部、ピアサポーターの悩みにトラッシュスターさんが答えてくれる相談コーナーが始まります。でも、登場するはずのピアサポーターが一人いない・・・あれっ、あんなところに!
カーテンの陰からとぼけて登場したYさん、「恥ずかしがってないで早く上がんなさい!」と中山さんの突っ込みで会場は大爆笑!皆さんの緊張もほぐれ、コーナーのつかみは成功したようです!「スベったらどうしよう???」と一番緊張していたYさん、トラッシュスターさんの突っ込みにさっそく「支え」られ、まずはホッと一安心。良かったですね!
「人前に出ると緊張します。和らげる方法はありますか?」
『相手の人に緊張していますって、最初に伝えます。言葉を出すことで気分も和らぎますし、思いを述べることで安心感みたいなものも出ます。』と中山さん。
「緊張すると言葉が出ないんですが…」
『僕も吃音症で言葉が詰まるのですが、その時は笑顔でごまかします!』と伊藤さん。
「ピアサポーターは同じ悩みを持つ方のサポートをしているのですが、お二人はどのように支え合っていますか?」
『吃音症の伊藤君が言葉に詰まったら、前に出てすぐ代弁します。おかげでアドリブが上手くなりました!』
『中山君から躁うつ病と告白された時は、どのような病気なのかを細かく調べて、どんな時にどう支援したらいいか普段から考えるようにしました。実はこう見えても結構、気~遣い~なんですよ!』
お互い心の内を明かし、悩みを抱え込まないよう支え合う気持ちが大切なようですね。
『障害を抱える者同士、支え合うことが大切』と、笑いを交えながら的確にアドバイスするお二人。障害と向き合いながら、マイナスをプラスに転じる姿勢はとても参考になります。何より、前向きな気持ちになりますね。
「私も笑顔でいるようにします。笑顔っていいですね!」「ピアサポーターと同じ、お互い支え合うという気持ちが大切ですね!」「落ち込んだ時には、仲間がいると自分を励ますようにします!」緊張したけど達成感で一杯という皆さん、いい笑顔で記念撮影し第一部を終えました。
第二部は、参加者全員がいくつかのテーブルに分かれ、茶話会形式の「ピアカフェ」を行いました。人見知りの人でも参加しやすいよう、まず全員でウオーミングアップゲームを行い、場を盛り上げました。そして各テーブル移った後は「話題カード」使い、話をするきっかけ作りもしました。トラッシュスターのお二人にも加わってもらい、当事者同士が心の内を話せる打ち解けたひと時となりました。
さて、当事者の安らぎの場になればと始めた「ピアネットカフェ」。悩みを抱え込まず話す、人の話を聞く、それぞれのペースで話し合う、そのような交流が大切なのだと感じました。
名張育成会広報紙MiRAi.Vol.68でピアサポーターの活躍ぶりを紹介しています。http://www.n-ikuseien.jp/news/pdf/20170701_mirai_vol68.pdf
また下記ブログでもピアネットカフェの紹介をしています。どうぞご覧ください。http://ikuseienmirai.hatenablog.com/entry/2017/11/13/000000