〈Guests〉学校法人セムイ学園さんとのパートナーシップ協定による視察を実施しました。

昨年春「パートナーシップに関する協定書」を締結した学校法人セムイ学園の学生視察第一陣が、平成から令和にまたがった大型連休を前に来園され、各施設を視察されました。これを皮切りに3回に分けて、大勢の学生さんがお越しになります。

 

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視察は、福祉の現場を肌で感じ、講義の内容が現場にどう活かされているのかを学ぶため、パートナーシップ協定の一環として名張育成会で実施されるものです。

(協定締結のブログはコチラ!併せてご覧になってくださいね。)

 

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今回は、この春に入学された11名の学生さんが名古屋近郊よりお越しになりました。社会人経験者やこの春に大学を卒業して学び直しをされる方など、それぞれソーシャルワーカーとして、国家資格である社会福祉士を目指しておられます。

 

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地域のニーズに応えるのは社会福祉法人の責務と、名張育成会の事業は幅広くなっていきました。午前中に行った事業説明で、様々なニーズが地域にあることに早速、「なるほど!」と気付きを得た様子。

 

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またお昼休みには、偶然通りかかった市川理事長の挨拶がありました。「福祉の現場は決してパラダイスではありませんが、それを補って余りある喜びがあります。今日は隅々までご覧になって、どうかこれからの学習に活かしてください!」

 

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午後から、まず子どもに寄り添う「こどもライフサポートセンターはーと」「ライフステップぽぷら」を視察しました。それぞれが好きなようにレイアウトした、個性が一人部屋に表れている入所棟では、20人の子ども達が4つのユニットに分かれ、兄弟のように暮らしています。

 

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みんなが遊ぶ広い中庭と、奥にある建物が日中一時支援を行っている通所棟です。

さて、子どもを取り巻く様々な環境が社会問題化されています。子どもが育つ環境とは何か、成長に寄り添うとはどういうことか、施設概要から感じとることはできたでしょうか?

 

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その、はーとに併設されている、宿泊機能のあるゲストルーム。きれいな個室に、おしゃれな対面キッチンやふかふかソファのリビングなど、まるでシェアハウス。「こんな部屋に暮らしたい!」・・・どうぞ、いつでも実習にお越しください♪

 

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次に、主に精神障害者の自立支援を行っている「レインボークラブ」で、就労継続支援事業(B型)の作業を視察しました。

 

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それぞれの得手不得手やコンディションに合わせてマイペースで作業できるよう、一人ひとりに合った工夫をしながら支援しています。また同時に、ステップアップしながら学べる就労移行支援事業も視察しました。

個性や自立したいという思いが様々なように、一人ひとりに向き合い、手を差し伸べるということも一律ではないのです。

 

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2施設の視察を行った後に、敷地内にある「パン工房ういず」でお買い物です。ここでは、生活介護事業の一環として、障害者と健常者がそれぞれ役割分担しながら、こだわりのあるパンを毎日焼いています。

 

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パン工房ういずのこだわりパンは、地域の方にも大人気。特に、中はしっとりミミまで柔らかい食パンは大好評!実は、引率の先生は視察時に、いつも5斤まるごとお買い求めになられるのですよ!

 

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この日も、しっかり食パン5斤をお買い上げ。学生の皆さん、それぞれお買い上げいただいたパンは、美味しく召し上がっていただけたでしょうか。毎度ありがとうございます!!

 

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さて、パンのお買い物で気分もすっかりほぐれたところで本部を離れ、百合が丘という住宅街にある多機能事業所「ワークプレイス栞」に移動しました。ちょうど昨年冬より始めた就労継続支援事業(B型)の室内作業は、在宅の方による潜在的なニーズを取り上げた取り組みで、これからの成果が期待されるところです。

 

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次に、就労継続支援事業B型の配食事業「キッチン花むすび」を視察しました。

 

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皆さんの今日の昼食弁当も、ここで調理したのですよ!ここでは、管理栄養士によるヘルシーなお弁当を、障害者と職員が役割分担できるよう工程を細かく分類し、協力しながら毎日200食以上の食事を作っています。

 

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また、同じ敷地にある「アトリエ彩」では、それぞれの個性をアートに活かす支援活動をしています。ここでは、絵の描き方を教えたり、道具の使い方を指導したりはしません。職員は、どのようにすれば個性が引き立つのかを考え、創作活動に打ち込める環境を整える支援を行うのです。

 

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ミリ単位の細かい描写が菅尾博司さんの特徴

 亀山市現代アート「亀山トリエンナーレ」(2017)の選出作家菅尾博司さん始め、山﨑智明さんの作品がトヨタ交通安全センター講習車両のラッピングデザインとして採用されるなど、ここで創作しているアーティスト達の、作家としての知名度も上がってきています。

 

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さて、このワークプレイス栞では、地域の方たちが身近に感じ、開かれた施設としてカフェやギャラリーも併設されています。さあ、カフェでひと心地つけて視察を振り返りましょう!というわけで、学生さんの素直な感想を伺いました。

 

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『想像していた以上にきめ細かい工夫があって、それが福祉の現場で大切なのだと思いました!』『自発的に取り組める役割分担や配慮が必要なのだと感じました!』

 

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『それぞれの事業、それぞれの支援に思いやりを感じました!』『本人の希望に沿った活動は様々なのに、それを果たそうとする姿勢にプロ意識を感じました!』

 

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『アートを通じて個性を支援している事業に興味が湧きました!』『コミュニケーションに興味があるのを福祉に活かしたいです!』などなど…

 

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わずかなふれあいであっても、現場を見る、生の声を聴くといった福祉の本音を肌で感じることは大切です。社会福祉士として「困っている人たちの役に立ちたい!」と思う気持ちを大切に、今日の機会をこれからの学習に活かしてくださいね!長時間の視察、お疲れ様でした。

過去の視察の様子です。よければご覧ください。2018年5月2018年8月前編後編

www.n-ikuseien.jp