暮れも押し迫る12月。寒い日が続きますが、アトリエ彩にはうれしいニュースが届いています。3つの公募展での、受賞の知らせです。それも、5人のアーティストが6つの作品で入選や受賞を果たすという“朗報ラッシュ”!
順を追ってご紹介しましょう。
まずはこちら。
10月に開かれた「第七回東北障がい者芸術文化祭art to you」で、
菅尾博司さんの『水牛』が企業賞(クリーン&クリーン賞)を受賞しました。
原画は全国巡回中のため、記録写真となります。
手すきの和紙に墨で描いた水牛の、精緻なタッチと力強いフォルムに圧倒されます。
作品は現在、全国各地を巡回中で、実物が戻ってくるのは来年の夏を過ぎてからになるのだとか。
実物を見られる日をお楽しみに!
お次はこちら。
同じく10月開催の「アートパラ深川メインビジュアル大賞」で、なんと4人の作品が入選しました。
入選その① 菅尾博司さんの『阿吽(あうん)』
菅尾さんは前出の『水牛』とのダブル受賞。
細い筆に墨をつけ、下書きなしで描いていきます。一日に進む面積はこぶし大くらい。鬼瓦がモチーフだという『阿吽』も、じっくりと時間をかけて描き上げた作品です。
入選その② 盛岡誠さんの『マンハッタン街』
黒の画用紙に色や形がさまざまな紙やシールをコラージュ。印象的でリズミカルな画面ができあがりました。
色とりどりのペンで黙々と描く言葉や記号たちも、並んでいたり飛び出したり。見ていると楽しい気分にさせられます。
入選その③ 山崎智明さんの『自転車』
丸いシールを使って好きな形を作っていく手法で自転車を表現した山崎さん。
大胆に一色。シンプルで形の面白さが際立つ作品となりました。
入選とは別に、会場を訪れた人の投票で上位に入り、「みんなが大賞」の賞状も贈られました。
入選その④ 武藤誠さんの『天地』
気持ちのおもむくままに墨の筆を走らせ、アクリル絵の具で色を付けました。短時間で一気に仕上げたといいます。
筆を指で弾いたという絵の具のしぶきもあいまって、躍動感あふれる作品です。
そして締めくくりは最新情報のこちら。
的場乃莉華さんの『ののはな』が津市長賞に輝きました。
勢いのあるタッチで折り重なるように書いた「ののはな」の文字。文字でありながら、野の花が群生しているかのようなイメージが湧き上がってくる作品ですね!
以上、今年の受賞作品をご紹介しました。
コロナ禍の終わりが見えず、閉塞感を感じることも多かった今年。それでもアトリエ彩のアーティストたちは作品の中で、感性の翼をのびのびと羽ばたかせていました。
受賞は作品が素晴らしいという評価であり、最高に喜ばしいことです。でも、「それがどうしたの」とばかりに、また黙々と作品という小宇宙に戻っていく彼ら。その姿に、真のご褒美は「アートする行為そのもの」の中にあるのだなあと感じました。
今日もアトリエ彩では、アーティストそれぞれに固有の時間が、静かにゆったりと流れています。
隣接のギャラリーは現在、お休み中です。
またの開館をお楽しみに。
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