〈MiRAi〉認知症に向き合い、自分らしく暮らすということ…

春休みに入り、公園ではマスクを取った子どもたちの元気な声がこだましています。また桜の下でのんびりと佇むお年寄りや幼児連れの親子など、街に彩りと賑わいが戻ってきました。春ですね!

さて広報紙MiRAi4月号を発行しました。今月は、認知症者の暮らしに「光」を当てました。

認知症=何もできない、何もわからない」という印象を持たれている方もいらっしゃると思いますが、実際には、明るく前向きに暮らしておられる方も多いのです。今回はそのようなお姿を紹介し、認知症へのご理解を深めていただく一助にしていただければと編集しています。

 

ご家庭で重要なのは、完璧な介護よりも穏やかな人間関係です。まず認知症という病気を理解して接し、本人との信頼関係を築くことが大切です。

認知症」とは、脳の病気の一種。認知機能(記憶、判断力など)が低下して、社会生活に支障をきたした状態をいいます。65歳以上の高齢者では7人に1人程度、軽度認知障害の人も加えると4人に1人が認知症とされています。(※)2012年度時点、政府広報オンライン『知っておきたい認知症の基本』より。

掃除や食器洗いなど家事をお願いすることで肯定的な感情が得られ、生活能力の維持にも役立ちます。

認知症という病気を誤解していませんか?認知症という病気は、私たちの人生の一部です。認知症になっても、人生を自分らしく生きている人はたくさんいます。むしろ、そうした人のほうが多いかもしれません。

仮に、認知症と診断されてもその日から何もできなくなるわけではありません。相当進行するまで、あなたの生活にとって重要な能力は失われることはありません。』

認知症介護研究・研修仙台センター発行『もしも 気になるようでしたらお読みください』より

「話し相手がいる。」実際に、気の合う人とのコミュニケーションは、日常の生活を豊かにするのです。

また、様々なレクリエーションや家事などを通じて脳に刺激を与え、生活能力を維持したり、昔好きだった事、得意だった事などを楽しむことで自信や肯定的な感情が得られ、精神的な安定を図ることができます。しかしこれらは、何も認知症だけに有効なわけではありません。

・認知リハビリテーション→塗り絵、音読、ゲームなど

運動療法→体操や散歩をする

音楽療法→歌ったり演奏を聴く

・園芸療法→花や野菜などの世話をする

・回想法→過去の思い出を語り、記憶を刺激する

グループホームひかりでは、カラオケが得意な利用者さんを中心に、皆で楽しく歌うという合唱レクリエーションがあります。メロディは知っているが、歌詞までは…という方は、歌詞カードを見ながら歌われます。

しかし、歌詞カードの中からいま歌っている曲を探し出すことのむつかしい方がおられます。そういった場合は、職員が歌詞集のページをめくります

たったそれだけのことで、皆さんに楽しく歌をうたっていただくことができます。

認知症の支援というのは、この合唱レクリエーションにおける歌詞カードをめくるようなものなのです。

職員による、ほんの少しのお手伝い。

「いつまでも、自分らしく暮らしてほしい。」

認知症と向き合う職員は、心の底からそう願っています。

認知症は、誰もがなりえる病気だと考えられています。だからこそ、認知症への正しい理解と、その方を包む温かいサポートで病気の進行を遅らせ、長く自分らしく暮らしてほしいものですね。

「高齢者グループホームひかり」は地域密着型の施設として、認知症相談の窓口ともなっていますので、お気軽にご相談ください。

連絡先:hikari@n-ikuseien.jp 0595-65-6766

担当:橋本(はしもと)

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