〈MiRAi〉広報紙MiRAi9月号を発行しました。

9月に入りました。まだ暑いとはいえ、身体を撫でる風は心地よく、去りゆく夏を感じますね。

さて、広報紙MiRAi9月号を発行しました。

名張市地域活動支援センターひびきでは、様々なカルチャー教室を実施していますが、この春から加わった「写真倶楽部」の活動を紹介しています。

 

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最新号はこちらをクリック!裏面もありますよ~

活動内容は紙面をご覧いただくとして、このブログでは写真倶楽部でも学んだ撮影の基本をお伝えします。これを意識するだけでも、撮影が楽しくなりますよ!!(カメラの性能や撮影機能に関することではありません。)

 

〈①カメラの構える位置カメラの向きを変えてみる

カメラを構える位置(ポジション)と、カメラの向き(アングル)の組み合わせを、下の図のように色々と試して撮ってみましょう。描写の違いが楽しめますよ。

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実際に撮影した写真を見てみましょう。花の見え方や背景の写り方も比較してみてください。

〈ローポジション × ローアングル〉

下から見上げるように撮ると、全体に花が下から上に伸びている感じに見えます。

空も背景に入るのでお花とのコントラストが映えますね ↓↓↓ このように、下から上に伸びているような、開放感のある写真が撮れます。但し、逆光になることが多いので、光の差している方向に注意しましょう。

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〈アイレベル × 水平アングル〉

自分の目線通りに写りますので、一番自然な写り方になります。

一番多く撮られるのが、このポジションとアングルです。人を撮る場合は、被写体の目線に合わせて撮るのがコツです。座っている人や子どもを撮る場合はしゃがんで、その子の目線と水平になるように写しましょう ↓↓↓

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ハイポジション × ハイアングル〉

上から見下ろすように撮ります。

近くにあるものだと、そのものを画面いっぱいに入れたいときや、ボリューム感のある写真が撮れます ↓↓↓ 多くの人を一度に写したい時など、写る範囲をできるだけ広く遠くまで入れたい時に用います。

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下の写真は、上からローポジション、アイレベル、ハイポジションの比較です。同じ場所で撮りましたが、背景、色合いなどと合わせて、まったく違う描写になっているのがわかりますね!

どのようなシーンを、どのポジションで撮ればどんなメッセージになるか、参考になると思います。

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〈②光を味方しよう!

光は、写真にとっても重要です。人の目は、周りの光の差を調節してうまく見ることができますが、カメラはそのようにいきません。最近のスマホなど、光の差を調節して写せる機能がついていたりしますが、常日頃よりシンプルに光に気を配って、明るい写真を撮りましょう。

〈逆光と順光〉

太陽の位置光の差し込んでいる方向を意識して、被写体を明るく写しましょう。

どうしても正面から光が当たらない場合は、回りこんで撮ったり被写体に横を向いてもらうなど、できるだけ光が当たるよう工夫しましょう↓↓↓

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<左:逆光で顔が暗い、右:光が正面から当たり全体に明るい>

〈③主役を明らかにして、構図を考えてみよう!

主役が何か明らかな写真ほど、見る人の心を引き付けます。ファインダーを覗いて、どの位置から撮れば主役が引き立つか、脇役にも気を配りながらどのように撮るかを考えるのが構図です。構図にはいくつかのセオリーがありますので、それを知るだけでもまとまりのある写真が撮れます。

〈日の丸構図、アイレベル × 水平アングル

主役を真ん中に置いて撮る、構図の王道。

主役が周りの景色に溶け込まないよう、配色や余分な写りこみに配慮しましょう。親しい人を撮る場合、一歩寄ってその人の目線に合わせて撮るのがコツです↓↓↓ カメラが寄っても被写体がたじろがないのは、カメラマンとの間にある信頼関係の証です。

さてこの写真は、この子の目の先に何があるのかより何を感じ取っているのか、広がっている空想が頭の後ろ側に出ていそうです!

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〈対角線構図、ローポジション × ローアングル

人を対角線上に配置したこの写真のように、対角線を意識した構図。

主役は右端の男の子ですが、左上の青い空が右下にいる驚いた人を引き立たせる、コントラストのある構図になっています ↓↓↓ ローアングルで撮っていますので逆光気味ですが、それを補って余りあるよい瞬間が撮れました!

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〈逆三角形構図、ハイポジション × ハイアングル

逆三角形のそれぞれの頂点に、主役と関係者をまとめた構図です。

ハイポジションとハイアングルで、歌っている主役、写しだされているスクリーン、またそのスクリーンを見て楽しんでいる人の会場全体を見渡しています ↓↓↓ この三者を収めるには、歌っている人(主役)の反対側からでも撮れますが、そうすると歌っている人が小さく写ってしまい、主役が引き立ちません。つまり、この位置でしか撮れない構図となっています。

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〈左右対称(シンメトリー)と、左右非対称(アンシンメトリー)構図〉

左の写真は同じポーズで向き合っている左右対称(シンメトリー)の構図です。

↓↓↓ しゃがんで、お互いの目線に合わせたアイレベルで、水平アングルからややハイアングル気味に撮っています。真ん中にある車イスは偶然にあったものですが、互いの空間を生めるのに役立ち、笑顔の中に表れている信頼関係が想像できます。

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右の写真は被写体が左に片寄っている左右非対称(アンシンメトリー)の構図です ↑↑↑

実はカメラを持った手だけを伸ばし、被写体に向けてブラインドシャッターで何枚か撮った内の1枚。無心に作品に向き合っていた時にふっと顔を上げた、偶然生まれた瞬間の写真です。右の白い壁には何も写っていませんが、被写体が何を想像しているかが投影されているようで、発想が膨らみます。

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下の写真、左は最初に説明した〈日の丸構図〉です。

右は、画面を上下左右に三等分した〈三分割構図〉。それぞれの線上や交点に主役を置くことで、バランスの取れた落ち着きある構図となります。

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さて、写真倶楽部の活動での1枚。色々なポジション、アングルで構図を考え、被写体に向き合っていますね!どのように撮るかはその人の自由。思いの数だけその場で描写できるのが写真の妙です。

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さあ、あなたも気軽に楽しみましょう。撮るのは、デジカメでもスマホでもOKですよ!

※監修:MiRAi編集長NS(公益社団法人 日本写真協会正会員)

www.n-ikuseien.jp